あけましておめでとうございます。本年も早大鉄研をよろしくお願い致します。

 さて、昨年の12月8~9日に中央大学鉄道研究会55周年を記念した団体臨時列車の企画に参加させていただきました。1か月遅れで記事が投稿されるのは、執筆者が団臨の余韻に浸って(書くのを忘れて)いたからです。

 この企画には中央大学鉄道研究会の会員の方々だけでなく、中央大学のOB、さらには私のような他大学の学生、OBも多数参加していました。朝の8時30分、集合場所である東京駅動輪の広場は多くの学生、OBの熱気にあふれ、目印の動輪も見えない程でした。

点呼の後、添乗員の方に連れられて、東京駅のホームへと出発です。そして9時18分、赤紫に金色の帯をした「宴」が姿を現しました。東京駅では明らかに異質な存在。ホームにいる乗客たちもスマホから顔を上げて、不思議そうに見ています。乗り込んだのは4号車。車内は掘り炬燵のある畳敷きです。仕切りを挟んだ車端部には線路と平行な向きにシートが設置されていました。

東京駅の発車は9時32分。駅のホームにいる人達に車内から手を振りながら、旅の出発です。「宴」は山手線や京浜東北線、さらには東海道新幹線を見ながらゆったり…というわけでもなく、上野東京ラインの列車とも遜色ない速度でビルの間を駆け抜けます。特急型車両485系を改造した「宴」。在りし日の東海道本線の特急列車のように、日本の大動脈を快走します。北陸出身の筆者にとっては「北越」にて何度かお世話になった485系です。その揺れに、加速音に、何か懐かしさのようなものを感じました。

東京、横浜の大都市を過ぎると、車窓には住宅街。さらにしばらくすると、大きな窓いっぱいに相模湾が広がります。遠くに見えるのは三浦半島でしょうか…紺碧の空を映しこんだ相模湾。車内からはいくつものシャッター音が聞こえました。ちなみに車内では既に宴会が始まっています。現役の方は大学やバイト・就活の話、OBの方は仕事の話。そしてもちろん、全員で鉄道の話。たくさんの興味深いお話を聞くことができました。

県境のトンネルを抜けると三島。伊豆箱根鉄道や211系など、車内から撮影されている方も数多くいました。そして富士山は…残念ながら頂を雲に隠していました。さて静岡駅では40分間休憩です。ここでは団体ごとに記念撮影が行われました。当会も旗を持って先頭で写真を一枚。373系と「宴」の東海地区らしい並びも実現しました。向かいのホームにも撮影する貸切参加者、そしてたくさんの一般の方がいました。コンコースでは新幹線の券売機の前で特殊な切符を出そうとする集団も。何を出そうとしているんだろう…。

静岡駅に停車中の「宴」

さて、静岡の次の休憩は笠寺。それまでは車窓を眺めながら参加した皆さんとお話です。茶畑や浜名湖が車窓を流れていきます。天竜浜名湖鉄道の最新の車両も見ることができました。

笠寺に到着した頃には辺りは夕闇に。当日は付近でコンサートがあるとのことで、移動はホームの中だけでした。暖かな車内に慣れた私たちは寒さに震えながら横を走り去る313系や311系を撮影しています。向かいのホームにはコンサートへの来場者、そしてもちろん「宴」の撮影者。

笠寺を出るとすぐに本日の終点、名古屋に到着です。ホームには驚くほど多くの撮影者の方がいました。名古屋では各団体に分かれて駅周辺のホテルに宿泊です。名古屋城の鮮やかなライトアップ、プロジェクションマッピングも見ることができました。これにて1日目は終了です。ではでは、おやすみなさい。

ライトアップされた夜の名古屋城

さて、2日目は初めに名古屋から新幹線で新大阪へ、さらに在来線で大阪へ、一般の列車に混乗して移動します。

大阪駅で待つこと30分、EF65に牽引されて「サロンカーなにわ」がやってきました。濃紺に黄色の帯。「宴」に負けず劣らず高級感のある姿です。入り口でスリッパに履き替え、車内に入ると…

「おぉ~!」

「サロンカーなにわ」の車内

誰もが吐息のような歓声を上げました。床は高級感のあるカーペット、千鳥配置の3列の椅子にはひじ掛けにまで白いレースが付けられています。豪華、優雅、バブリー…そんな印象です。また、椅子は横になっているのではないかと思えるほどリクライニングし、また、45°毎に固定できるため、完全に窓に向けたり、斜めにして4人が向き合うようにしたりと様々な用途が可能になっていました。「サロンカーなにわ」はその名に恥じない、まさしく「サロン」でした。

大阪を出発し、緩行線の321系を追い抜きながら、須磨海岸を眺めながら、明石海峡大橋の大きさに圧倒されながら、「サロンカーなにわ」は走ります。なかなかの速度です。EF65の最高時速なのではないでしょうか?また、客車列車のため、加減速時には軽く「ガタンッ」という衝撃が感じられます。さらにカーブに差し掛かるとカントの影響を強く感じます。独特な乗りごごち。車内の鉄道ファン一同、満喫しました。

岡山には予定より若干遅れ13時45分頃に到着しました。ここでは機関車の付け替えのため、参加者はいったん改札外に出て休憩です。私は一区間だけ岡山電気軌道に乗車しました。行きは最新の低床車両9200系MOMO、帰りは独特のパンタグラフを備える主力の7900系で、5分にも満たない乗車時間でしたが、初めての岡電、堪能しました。でも次はもっとじっくり観光したいですね。

万富駅停車中の「サロンカーなにわ」の展望車
万富駅停車中の牽引機EF65

381系「やくも」を横目に岡山を出発すれば、次は万富。この駅でも写真撮影会です。山間の小さな駅は突如としてカメラを持った参加者であふれかえりました。黄色一色の115系との並びも撮影できました。夕日に照らされた「サロンカーなにわ」。ただただ、かっこよかったです。

次第に外が暗くなってきました。ライトアップされた明石海峡大橋を過ぎれば、次第に列車は神戸の市街地へ。最後部のデッキからは通過駅の灯りが後方へ流れていく様子が見えました。大阪駅到着の少し前、車内チャイムが鳴って中大の担当の方による最後の車内放送。「いつか必ず、どこかでまたお会いしましょう!」最後の一言が終わると車内は盛大な拍手に包まれました。列車はガタンッと一つ、車体を揺らし、ゆっくりと大阪駅へと到着です。

今回の貸切列車では様々な人たちと触れ合うことができました。普段の大学生活では接することのないOBや他大学の方々と、世代や場所を超えて交流することができました。「宴」と「サロンカーなにわ」という貴重で楽しい列車に乗ったということ、さらにそこで多くの方と交流できたということ、どちらも忘れられない思い出となりました。再びこのような機会があれば、ぜひ参加させていただきたいです。

皆様、ありがとうございました。そして

「いつか必ず、どこかでまたお会いしましょう!」

以上、写真は全て筆者撮影

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